今回は読売TV開局50年記念スペシャル。南は沖縄から、北は北海道まで旅します。テーマは「昭和」!南を担当するのは平野文さん。そして北を担当するのが私、丹波義隆という事で二週に渡って放送致します。実は平野さんと私、中学校の同級生なんです・・・不思議な縁ですね〜。昭和の高度経済成長を代表するのが、この0系新幹線。夢の超特急です。旅のスタートは、新大阪駅のホームから!いや〜、懐かしい風景!あったんですね〜、それも東京に! 大田区にある「昭和のくらし博物館」を訪ねました。子供の頃には、当たり前にあった風景なんですが・・中を拝見させて頂くと、ありました、ありました卓袱台(ちゃぶだい)!それにしても、懐かしい!今みたいに物に溢れた贅沢な生活ではなかったけど、この卓袱台を囲んで楽しく暮らした思い出が蘇ります。ここは館長の小泉さんご自身が実際に暮らされていた家で鍋や釜など生活雑貨などもそのまま残っています。なんだかホッとする「風」がここにはありました。青森県八戸にある陸奥湊朝市を訪ねました。朝というか夜中の2時くらいから「市場(いさば)の母(か)っちゃ」と呼ばれる大きな籠を背負ったお母さんたちが、地元で水揚げされた魚や手作りの干物、自家製の野菜やお惣菜などを持ち寄って露天が開かれていました。買い物よりもお母さんたちと話をしていると、都会で知らないうちに育った自分の中にあるトゲを丸くしてくれた様な気がしました。同じく朝市が開かれている通りにある大洋食堂さんを訪ねました。いや〜、びっくり!その注文の仕方に驚きました。紙に名前と注文内容を書いて渡します。名前にはカタカナもふります。口頭だと間違えるといけないからだそうです。おばあちゃん3人でおやりになっているのですが、最近書いても間違えるそうです!ここで昭和を代表する味に出会う事が出来ました。岩手県九戸村を訪ねました。ここで魔法のほうき発見!と言っても空を飛べる訳ではありません。でも凄いです!絨毯に付いた目に見えないホコリや動物の毛など一掃きでとれます。オーバーではありません。だから魔法のほうきなんです!南部ぼうき専門職人の高倉さんと。高倉さんは、ホウキモロコシと言うほうき用の草を自ら有機栽培して50種類以上の用途の違うほうきを作り続けています。1本で現代の掃除機が何台も買えてしまう位の値段ですが、ミクロのゴミまでとる事が出来、電気代も要らない、そして50年以上も使える大変エコなものです。言ってみれば、今こそ使うべき物なのではと思いました。昔ながらの日本の技に改めて感心させられました。 旅の最後に花巻市の鉛温泉にある藤三旅館を訪ねました。ここを訪ねた理由は、昭和の湯治場の雰囲気を味会いたかったからです。この日偶然にも雪になりました。ここは200年以上の歴史があり、旅館に隣接した自炊部では、湯に浸かったあと、自分たちで作ったおかずを交換するなど昔の湯治場の雰囲気が残っている。ここで北海道を担当した熊八さんと会い、熊八さんが仕入れたじゃがいもで懐かしいコロッケを作りました。この日、自炊部に宿泊したので当然自炊!皆で力を合わせ、カレー、キノコ鍋などを作りました。と言っても、殆ど一ノ関に居る元遠くへ行きたいのスタッフの小島さんが作りました。コタツを囲み、皆でワイワイ食べる食事なんて久しぶりの様な気がしました。昭和・・・そうだよ、この雰囲気!今回の旅は、収録時だけでなくオフの時も皆で昭和を分かち合えたロケになりました。デジタル時代は便利ですが、アナログ時代にあった不便、無駄も考えようによっては、それによって助け合い、触れ合いのある温かな時代だったかも知れません。また無駄をただの無駄にせず、そこに知恵と技を使い素晴らしいものを作っていた日本の物作りを忘れてはいけないと思いました。そんなぬくもりのある昭和を今の平成にプラスして行く事が次の世代に渡す我々の使命だと思いました。いい旅でした・・・